おはよん(*゚▽゚*)/なぁー
らんです!
今日は【らんな劇場】
慍掟の踉返第7話をお届けしまーす。
【あらすじ】
組織に反旗を翻し、単身乗り込むアメリア。
しかし首領ヴィフダインの圧倒的な力の差にねじ伏せられてしまう。
とどめを刺されるその瞬間、現れたのは有名な海賊グレイス・マリー!!
年老いたその身体で血気盛んな首領とどう戦うのかっ?!
それではお楽しみ下さーい!
ぶーーーー(はじまる音)
サッ!
ヴィフダインのあいさつがわりの一撃目を難なく躱したグレイスはこの若い首領に向き直った。
長期戦だと分が悪いかもしれないねぇ)
そんなヴィフダインの構え方は独特だ。
構え自体が剣士のそれではなく、まったく太刀筋が読めない。訓練をすればするほどセオリーから外れ、この首領には勝てなくなってくる。
皮肉なことに衛兵の『賊』を討伐する訓練が仇になる……。
ヴィフダイン『これくらいは避けられるか、耄碌(もうろく)はしていないようだなw』
しかし……グレイスは、そんな事には気をかけないとでも言った風で無言で立ち尽くしたまま。
しかも不敵に笑みを浮かべている。
チッ
ヴィフダイン『気に入らねぇ…っ。』
舌打ちひとつ。
…ふと……ヴィフダインはボロボロになって倒れているアメリアをチラっと見下ろした。
まるでマリーのようだぜ。
不気味で、何考えてるかわからねぇ……
コイツも時々こんなふうに……マリー…?!)
驚いたような顔でこちらを凝視するヴィフダインに、グレイスは、ほう……と眉を上げる。
ヴィフダイン『娘を助けに来たってか!
じゃあ貴様ら同罪だっ!ぶっ殺してやる!』
真っ直ぐにグレイスに突進をかけ、小さく地面を蹴り方向を変える、瞬時に逆側に飛びながら残像を残し……
ヴィフダインの刃がグレイスを捉えた!
ヴィフダイン『なっ?!』
目の前からグレイスが消えた。
直後。
ヴィフダインの脇腹にありえない方向からノーガードで打撃が加わり、一瞬息が止まる!
わけのわからないままふっ飛ばされ、地面に転がったヴィフダイン。
そこへに四方八方から魔拳が襲いかかり……
ヴィフダイン
『ぐわあああああっ!』
数十、数百のようにも思える拳の雨。
それを浴びたヴィフダインは片膝を立てて……グレイスを見上げた。
グレイス『まだ歳は取りたくないねぇ……
全盛期ならお前さんをぺしゃんこに出来てたのにねぇ…
ったく、お前さん若ぇのに本気で来るから…
つい奥の手スキルも使っちまったよ(〃∇〃)
すまんねぇ……』
ヴィフダイン
『きたねぇぞっ…!』
ガッ!
ヴィフダイン『ぐはっ』
若い首領が言い終わる前にグレイスはヴィフダインを蹴り飛ばし、さらに足で踏みつけ、真顔で見下ろしながらこう告げた。
グレイス『今……
お前さんが相手にしているのは……海賊だ。
…アタシに刃向かいたきゃ、ガレオン船でも引っ張ってくるんだね!』
ヴィフダイン『か………海賊……』
グレイスはフンっ!と鼻を鳴らし、その歳不相応の『高圧』をかけながらヴィフダインを見下ろす。
ひとつめ………【この娘は……孫だ。】』
ヴィフダイン『ま……っ!』
どう見ても娘だろっ!
首領の心の声が聞こえるようだ。
フフン、少しだけ得意げな顔になった気がするグレイス。
【この子に近づくな。】
これは、お願いではない【命令】だ
……以上』
ヴィフダイン『そ……それはできねえ!
組織への裏切り行為は万死に値する!
【掟】なんだっ!海賊ならコレだけは譲れないことくらいわかんだろ!
しかも4人もコイツに殺られてんだぞ!』
おやおや、
我が孫ながらお転婆だこと……(ㆁωㆁ*)
グレイス『この子ったら……』
ボロボロになって床に転がるアメリアを見下ろす。ヴィフダインを踏みつけながらも眼差しだけは、孫を愛でる祖母のそれ。
ふぅ……
世話が焼けるねぇ………
グレイスは小さめの溜息をついた。
グレイス『わかった……落とし前をつけよう』
ヴィフダイン『当たり前だ!』
グレイス『この娘は、今ここで「アタシが」首をハネる…それで良いか?』
ヴィフダイン『お、おう……!
そ、それで…いい』
ヴィフダインは踏まれながらも、納得した顔をする。たしかにそうだ掟だからね……
グレイス『ん、そういえば……』
グレイスはひと呼吸すると、
グレイス『このアタシ……
『グレイス・マリーに刃を向けたもの』は、今までにどうなってきたか……ご存知?』
ヴィフダインには皆目検討もつかない。
ただイヤな予感しかしない………
異様な迫力に押され、ヴィフダインが口をつぐんでいると……
【ソイツの組織とその家族を全滅させる……一部始終】を見せつけてましたよね。
………キャプテン?』
その声に弾かれたように首領が飛び起きる。
ヴィフダイン『オヤジっ?!』
グレイス『ほう、アルバール………
よく覚えてるじゃないか。』
アルバール『まぁ……長年の付き合いですから』
アルバールはふふっと笑みを漏らした。
今となっては我が子が可愛いか……うん?
今、アタシと闘っても良いんだぞ?』
アルバール『滅相もない。もう私は貴女に勝てるなんて思うほど、若くないですよ。
それと…
対象によって変更できるような【掟】なぞ、【掟】ではない……でしたよね。』
グレイスはふふっと満足した眼差しで、旧い戦友を愛でた。
ヴィフダイン『親父っ!助けてくれよっ!』
アルバール『黙れ小僧!!』
そのたった1つの恫喝で旧校舎が軋みをあげ振動を起こす。この初老の男のどこにこんな声量を出すチカラがあるのだろうか………
グレイスはアメリアに視線をやりそう言った後、踏んだままのヴィフダインを見下ろし…
グレイス『その代わり………
コイツはアルバールの顔に免じて許してやる。
…………チャラだ』
アルバール『……よろしいのです?』
ソイツは訓練してくれただけだろ?
ココは、戦闘訓練校だからねぇ……』
アルバール『違いねぇ………』
『がっはっは……!』
グレイスとアルバールは「にいぃぃっ」と歯を見せてからいつかの海賊時代よろしく、声を揃えて高らかに笑った。
アルバール『はい……
それにしても…まさか
お孫さんが生きておられたとはね……
どうしてわかったんで………?』
グレイス『ああ……すこぶる目つきの悪いのと、ピンクの猫娘が飛び込んできて……
孫のピンチだって、わーわー教えてくれたのさ。
それにしても…
よくアタシがグレイスだってわかったもんだ。
……良い情報屋だよ……アイツら』
アルバール『こっちもです……。
どうやって私を見つけたんだか……
変わった…奴らでしたネ…』
ふたりは顔を見合わせて昔のように微笑んだ。
そのころ…
エル・スカーロ
ウィル『はぁ…、
まったく……首を突っ込み過ぎだって』
らんにゃ『だーいじょぶにゃ!』
ウィルの苦悩はこのあとも続くことになる…。
つづく
【次回予告】
お楽しみにね(o^-')b♬
Epilogue(エピローグ)の後、設定資料集出してアメリア編はいったん終了となります。
あ~楽しかった!
でわでわ……
今日も元気に
行ってらっしゃーい♬
またねっ♪(゚▽^*)ノ⌒☆