【あらすじ】
暗殺者として生まれ育った感情を持たないマリーに新たな指令が。暗殺に失敗してしまうマリーは感情を取り戻し、長年探し求めていた居場所を得る。
その居場所に組織の牙が向けられ組織と戦闘になってしまった!
ひとりを仕留めたとき、元ターゲットのヴェルからの声がかかる?!
緊迫の最終話
お楽しみくださいませ〜
でわでわ……始まります〜。
ぶーーーー(はじまる音)
弾かれるように……アメリアは
ふとヴェルの方を見てしまった。
本当に見るべきは後方だったのに……!
その後悔の次に来たのは、焼け付くような鋭い痛み…!
見なくてもわかる、アメリアの背中に深々とナイフが突き刺さっている!
アメリア『う…ぐっあああああ』
とさっ…!
アメリアはその場にチカラなく倒れ込んだ!
ヴェル『くっそぉぉぉ!!』
ヴェルは弓を取り、矢を番え……
それに対してナイフの男はおおきく振りかぶってナイフを投げつけた!
ヴェルの矢はナイフ男の目を貫いた……!
絶命したふたりの男には目もくれず……
アメリアに駆け寄るヴェル!!
初…めて……名前……呼んでくれました、ね
……嬉し…かったぁ〜……♬
……まだ誰にも……呼ば……けほ』
ヴェル『もう……喋らなくていいっ…!
ここは危ないから……逃げようっ……
誰にもじゃまされない地へ……っ!』
アメリア『アタシがもしその時ま…で……
生きてたら………けほ………ずっとい……』
耐えきれず…そこで意識を失うアメリア……
まずはここにいては危ない……!
それと……一刻も早く医者に……神官に……
アメリアを背負い……住み慣れた街を離れる。
しかし……ヴェル自身も……
相当な深手を負っていた。
ヴェルはアメリアを背負い早足で歩いていく……
ヴェル『もう少し………で…街だからな
アメリア……頑張るんだぞ!』
まだ……体温はある…!
息遣いも微かに聴こえている…っ!
もう少し……もう少しで……街にっ!!
しかし……運命の女神はそう甘くはなかった。
今まで張り詰めてた緊張や想いが
…ぷつと音を立てて切れたように思えた……。
ヴェル『もう、だめかも……知れないな…
アメリア……ごめんな……
そうだな……、こんな状態でも……まだ、
もし二人とも生きていたら………その時は……』
ヴェルはアメリアの方に這いずり、そっと耳元で囁く。その言葉の続きは小さすぎてアメリアにしか聞こえない………。
アメリアはもうピクリとも動かない。
しかし……
……意識を失っているはずのアメリアが
……小さく微笑んだ気がした……
そして薄れいくヴェルの意識………
薄っすらと消えかける視界になにか白い人影がこちらに呼びかける姿が見えた。
何を言っているのかはわからない………
もうほとんど真っ暗で前がみえない……!
ヴェルは何かにすがるように、祈るように……
その何かに向かって懇願した……!
アメリアだけでも…助け………て……くだ…』
視界が……完全にダークアウトした。
ヴェルが目を覚ました時……
アメリアはいなかった。
ココは…………?
目の前には白い天使…?がいた。
背中に大きな羽根を持ち…心配そうな顔でのぞき込んでくる。
彼女なりに心配はしてるのだろうが…どうも若干間延びした話し方が緊迫感にかける。
ヴェル『あの……アメリア……
……一緒にいた女性はどこに?!
どこにいますか?!』
そうだ!アメリアは死にかけていたのだ。
(まだ息はあったけど……もしかしたら……
いやっ……考えたくない………)
ヴェルの頭の中では最悪の事態を想像する自分とそれを打ち消す自分が戦っていた……。
そんな争いを止めるような間延びした声。
らんな『自分の心配よりも第一声が……彼女さんのことですか…?(〃∇〃)
アメリアさんなら「一緒にいるとこの人が危ないから問題を解決してくる」って言って…。
昨日立たれましたよ〜』
ヴェル『アメリア……っ…そんな身体でっ!!』
らんな『ほらほらまだ寝てなくちゃ…っ!
見つけたときはね、アメリアさんのほうが死にかけてはいましたけど………
わたし、思わずリザレクション使ったから、実は回復はすごい早かったんですよね(〃∇〃)
ここまで貴方を運んだのアメリアさんですよ』
ヴェル『えええっ?!』
らんな『貴方は基本、疲労が溜まってたのが大きいだけだったんです。怪我はそうでもありませんでしたしね。
あまり神聖魔法でばかり治してると、ヒューム族は自然治癒力落ちますからね。
自力で治るケガは治さないですよ、わたし。
なので…
こうして寝ててもらったってわけ(o^-')b♬』
ヴェルは顔が赤くなるのを感じていた……
くっ……運ばれただとっ?!
よりによってアメリアにっ?!
3日後
ヴェル『ありがとうございました。』
すっかり良くなったヴェルは深々とお礼を言い見つけたシェアハウスに引っ越していった。
安心できる、戻ってこれる家…。
脛に傷を持つ冒険者たちが集まるシェアハウス
ここならしばらくは組織も追ってこれないだろうし。
いつかここを出て、新しい家を買おう。
ボクが用意しておかないと……
あの時の約束守れないもんな……。
らんな『そうだ……』
旅立とうとする、ヴェルの背中にらんなは声をかけた。
らんな『アメリアさんがね…?
「誰にも邪魔されなくなったら……
その誓い、受けさせていただきます」だって…
なんのことだろね(*´艸`*)』
聞こえてたのか……っ(。>﹏<。)
アメリアめっ(〃∇〃)
どんな想いでボクを運んでたんだよっ!
とびっきりの笑顔を思い浮かべつつ、ヴェルは小さく微笑んだ。
おしまい
エンディングテーマ
【あとがき】
はい!
ということでらんな劇場【晦世の惨冥】
お楽しみいただけましたか?
今回は謎多き『にこにこメイドさん』アメリアの過去編をお届けしました。
この時に助けたアメリアさんとらんなが知り合いだったって言うわけですね。
なんと初登場は1916回、2020年の出来事でした。このアメリア過去編はどこかでどうしても書きたかったんだよね。
組織に属していたはずのアメリアが抜け出した理由。そして今に至る経緯。
ティリトさんとこのヴェルさんは冒険者たちが暮らすシェアハウスに住んでいるそうで、それに至った経緯としてパラをお借りして作ってみました。気に入っていただけたかなぁ?
最後まで見てくださって
(ㅅ´ ˘ `)♡ありがとでした!
さて今回の四字熟語
おわかりになりましたかー?
今回の四字熟語は
海誓山盟(かいせいさんめい)
非常に固い誓い。永久に変わらない海や山のように、変わらない誓いの意から。男女間の愛情が永久に変わらないと誓うことにも用いられる。
ということで、アメリアとヴェルさんの何らかの誓いを意味してるのかもしれませんね(o^-')b♬
晦世の惨冥の当て字はと言うと……
晦
暗い。暗くする。見えなくする。くらます。
世
人の生きている間。一生。
惨
無慈悲である。
冥
くらい/光が少ない
こんな感じになりますね。
タイトルだけ聞くとなかなかひどいタイトルだけど、最後はそこから抜け出せたアメリア。
最後は幸せになってくれるといいですね。
でわでわ……
今日も元気に
行ってらっしゃーい♬
またねっ♪(゚▽^*)ノ⌒☆