【あらすじ】
任務に失敗したマリー
冒険者としてのレベル差に愕然としたマリーは降参を申し立てる。
しかし……帰ってきた答えは……っ?!
さてさて第五話のスタートでーす。
ぶーーーー(はじまる音)
マリーは……
おそらく人生で初めて……
むき出しの感情を表に出した。
幼い頃から効率的に人を殺す訓練だけを続けてきたマリーにとって、感情は『最大の敵』以外の何物でもない。
それなのに…
それなのにっ?!』
目の前の、この男は何を言ってるの?!
マリーにはヴェルが全くわからなかった。
矢継ぎ早に質問して、このわけのわからない難問をなんとか解こうとするが……
皆目、見当がつかないでいた。
マリー『じゃ、アタシを殺しなよっ!!
前のアサシンと同じようにっ!』
ヴェルはおやおや……
といったように首をすくめた。
ヴェル『いや……キミは良い目をしている。
まだ活きた目、やり直せる瞳をしている。
そしてその…
とびっきりの笑顔は心根が良くないと出せるものじゃない。
理由は……それだけでは不足か?』
マリー『う………』
これまで……
もう何人も殺めてきた汚れきった手………
殺めることに抵抗が無くなったココロ……
そんな自分を受け入れてくれるのは、組織だけだと思ってた。
そんな自分の居場所は……
どんなに嫌でも組織だけだと思ってた。
組織は自分を必要としてくれる!
そう、組織は仮初(かりそめ)のカゾク……
だけど……もう……
もう何処にも居場所なんて………!
ないのに……っ!
・・・・・。
マリーは恐る恐る口を開いた。
マリー『まだ……ここに居てもいい…のですか?いつ、また貴方を殺すかも知れないんですよ?
アタシは……
暗殺者なんですよっ!?』
最後の言葉はもう絶叫だった。
マリーのココロの中を全部吐き出した、そんな感覚……!
ヴェルは優しく頷いた。
ヴェル『でも……もう……大丈夫でしょう?
行くとこが無いなら………
……ここにいれば良い』
最後の言葉はしっかり溜めてから言った。
諭すように。
宥めるように。
そしてヴェル自身に言い聞かせるように。
小さく小さく頷いた。
ヴェルにはその頷きは見えなかったはず。
それくらい小さく…。
しばらく無言の時間が続いた。
そんなマリーのココロの中を知ってか知らずか
……ヴェルはこう聞いてきた。
ヴェル『まだ本当のお名前を聞いてませんでしたね、マリーさん。
教えて……もらえますか?』
えっ……
一瞬とまどいながらも……
マリーは意を決して……声を出した。
………アメリア・マリー』
アメリアは生まれて初めて……
本当の名前を他人に教えた。
自分の口から出たその名前は、
恥ずかしく…
懐かしく……
そして…………嬉しかった。
つづく
次回予告
お互いが暗殺者と標的と認識した上での共同生活が始まった!
本名で新しい生活を始めるアメリアは、果たして任務を全うできるのかっ?!
次回第六話、お楽しみにね(o^-')b♬
さてさて、第5話まで進みました〜。
実はこのらんな劇場
意外に伏線とかもちょこっと入ってて、気づいてもらえる人もいて嬉しかったりします。
第二話の衛士長のセリフの色が変わってるのを見事に見つけてくれてたり(入れ替わってるって事だよね(ㆁωㆁ*))劇場の考察してくれたりほんとにうれしいのです〜。
たまに間違いで書いてたりすることもあるけど、このセリフの色を変えるっていうのは、ブログならではの伝え方ですよね〜(*´艸`*)
トーラムも同時並行でやってます!
周年頑張らないとですよね(o^-')b
でわでわ……
今日も元気に
行ってらっしゃーい♬
またねっ♪(゚▽^*)ノ⌒☆