おはよん(*゚▽゚*)/なぁー
らんです!
優芍の幼駿
第十話をお届けしまーす!
魔法の効かない強大な魔族の前に、杖は折られどうすることもできない母娘とチーカ。
この絶体絶命のピンチに魔族メイビスはある提案をする……。
それでは第十話のスタートです!
ぶーーーー(はじまる音)
ぴちゃ………
ぴちゃ………
しばしの沈黙。
…まだ頭が追いつかない。
ゆうらんは目の前の現実に若干混乱していた。
あわてて、状況を整理する。
素材……?
うらんが素材扱い?!
そして、あり得ない魔族メイビスの発言に憤りを感じるゆうらん。
そんなニンゲンの感情など全く興味がないメイビスは!ふと思いついたのかこうも続けた。
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メイビス『あ、そうだ♡
その子の羽根を切取って差し出しなさい?
そうすればあなた達…帰してあげてもいいわよ?
……魔族だって優しいんだから♬』
ゆうらん『ぐっ!』
ゆうらんは悔しくて唇を噛む………
……どうすることもできないの?
こんなの………こんなの………!
……攻撃魔法も効かない!
……神聖魔法も使えない!
だいじなわが子ひとり…
守れないなんてっ!!
ゆうらんを無力感が襲う。
何もできない不甲斐なさ…………
どんなに……
『どんなに絶望したって必ず道はある……
時が来れば……必ず……必ず………奇跡が起こる』
奇跡なんて……もう……考えられないっ!
大好きな言葉も少しこの場にはそぐわない。
どうすれば………!
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そんなココロの中を知ってか知らずか……。
ゆうらんの背中には、うらんが『ぎゅッ』としているのだろう……。
服が引っ張られる感覚とほんのり暖かい体温が伝わってくる。
それでも……
この子には……
この子には指一本触れされないっ!!
膠着したこの状況に、メイビスは若干苛ついている。心底面白くなさそうに顔をしかめる。
尖った指に力を込めるとエネルギーを貯め始め……ゆっくりとこちらに近づいてきた。
不安になったうらんが母を呼ぶ。
ゆうらんは娘に顔を見られないように…
敵に聞こえないように……小さく小さく呟いた。
ゆうらん『だいじょうぶよ。うらん
………よく聞いてね。
わたしが魔法を唱えたら……
全力で後ろに走りなさい。
何が起こっても振り返っちゃだめ。
そう、うらんが全力で走ったらあいつは絶対追いつけない。
思いっきり全力で走ってね!』
そして……あなた!
うらんのことは……任せたわ』
メイビスとの距離が4mまで近づいたとき、ボソボソと唱えておいた、とっておきの魔法が完成した。
『術式/ウォールっ!!』
ゆうらんを中心に魔法が展開される。
メイビス『ええっ?!』
メイビスの身体が大きくノックバックされ、ゆうらんたちから引き離された!
チーカ『うらんちゃん!』
うらん『ままっ!』
チーカ『だめよ!邪魔になっちゃう!』
うらん『ぐぅ……っ』
逃げるふたりを満足そうに目を細め……
ほんの少しだけゆうらんが微笑む。
追おうと態勢を変えるメイビス。
目標を、逃げる『素材』たちに移し……………
しかし……そうはうまくいかなかった。
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こっちでしょうがぁ!!』
ゆうらんの全力が込もった、フルスイングの拳はメイビスのこめかみを深く捉えた。
ダメージは大したことはないのだが、うらんたちを逃がす時間くらいは稼げたはず…!
メイビス『拳……?舐めてくれるね……!
そんな弱い拳などまったく効かないわ?
もう貴女に興味はないし…消えて?
………ブラスト』
地面が、はるか下に見え……
そのまま後ろに浮いたまま移動する。
いや……身体が熱く…激しい痛みが全身を襲う。
そう、ブラストの火力で吹き飛ばされたのだ。
あちこちの骨が折れてるのはわかる。
もう、1ミリだって身体は動かせない。
うっすら見える…ぼんやりした景色の中、着地を狙ってメイビスが魔法を唱えているのはわかる。
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メイビスが突き出した腕から夥しい魔力が迸っている。
アレが当たるとたぶん……ダメだろうなぁ………。
ゆうらんがぎゅっと目をつぶったとき………
ユリンのフレアブラストはメイビスの脇腹にヒットし、メイビスの腕に宿っていた魔力は四散する。
メイビス『この……モブ風情がっ!!』
ユリン『きゅっ』
メイビスが逆の腕で虚空を振り払うような仕草をすると、衝撃波が生まれユリンの身体は光となって消えた……
倒れたままのゆうらんに近づくメイビス。
ゆうらんを眺めるその眼は氷のように冷たく、情も何もひと欠片の憐れみも感じられない。
メイビス『……面白くない』
小さな太陽のようなその火球は、周りの壁を焦がしながら少しずつ大きくなっていく。
ゆうらんは薄れそうになるその意識を保つのが精一杯。
しかし………もう身体は動かない。
指だって……もう……………
メイビス『消し炭になりなさい……?
あなたの娘は追いかけてちゃんと素材にしてあげるから♬』
もう………なにもかんがえられない。
ゆうらん『みん……な……元気…でね………』
小さく小さくつぶやくことしかできなかった。
ゆうらんを中心に火球が着弾する。
完全に避けきれるタイミングでもなく、避ける体力も………無かった。
爆発のあとには焼けて四散したニンゲンの……
……誰もがそう思った。
しかし……爆炎の中から現れたのは………
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メイビス『じゅ………純天使………』
つづく
はい!
第十話お届けしましたっ。
ホントは第十話はこの半分だったんだけど、両方とも短かったのでくっつけちゃいました♬
絶体絶命のピンチに現れたのは純天使らんな。
でも護ることしかできないんだよね。
果たして……勝機はあるのかっ!
次回をお楽しみにね(o^-')b♬
でわでわ……
今日も元気に
行ってらっしゃい♬
またねっ♪(゚▽^*)ノ⌒☆